2014年度貸金業が担う資金供給機能等の現状と動向に関する調査結果報告に関する考察(資金需要者)

このページでは日本貸金業協会が2015年3月27日に公表した、「貸金業が担う資金供給機能等の現状と動向に関する調査」に関する報告について紹介しています。

データについては(貸金業が担う資金供給機能等の現状と動向に関する調査結果報告)から引用しています。

調査結果の概要
  • 貸金市場の状況
  • 資金需要者(個人)の借入状況
  • 資金需要者(事業者)の借入状況
  • 個人向け貸付に求められる商品特性
  • 事業者向け貸付に求められる商品特性
  • ヤミ金等非正規業者との接触・利用状況
  • 金融詐欺等による被害の状況

貸金市場の状況

登録貸金業者数の推移
data3-1
貸金業者の貸付残高の推移

data3-2

  • 登録貸金業者の数は平成18年3月から平成26年3月の8年間の間に、14,236業者から2,114業者にへと、85.2%減少している
  • 貸金業者の消費者向け貸付は残高は平成18年3月の20.9兆円から平成26年3月には6.2兆円へと、約70.3%の減少。事業者向け貸付残高は20.5兆円から16.7兆円へと、18.5%減少している

貸金市場の状況の考察

貸金市場は、上記データを見ると、平成18年時と比べると、市場が大幅に縮小していることがわかります。

事業者向け貸付残高は18.5%と、まだ減少幅は少ないですが、消費者向けの残高は約70.3%も減っていることから、いかに消費者向けに融資が行われなくなったかということがわかります。

この背景としては、過払い金返還請求の判決が2006年に最高裁で決定したことにより、いわゆる「過払い金返還請求バブル」が起きたことが原因と言われています。

この過払い金返還請求により、2008年度には、5910億円の過払い金が返還され、2013年に貸金業者を対象とした調査でも、276業者から3,066億円もの利息返還金が支払われているというデータもあります。

上記データで、貸金業者が14,236業者から2,114業者へと85.2%も減少している紹介していますが、この多くは過払い金を払えずに倒産したと言われていて、当時消費者金融最大手の武富士も、利息返還ができずに倒産しました。

しかし、利息返還請求については、下記で詳細について書きますが、すでに完済している方も利用できるため、債務の返済負担の軽減ではなく、お金が戻ってくるという謳い文句で司法書士や弁護士が宣伝していて、当初の目的である、困窮者の救済策という位置づけでは無くなっているため、一方的に貸金業者が負担になっているという側面があります。

資金需要者(個人)の借入状況

借入申込を行った際の資金使途
data3-3
新たな借入先として検討した先

data3-4

  • 個人の借入利用者の42.7%が、改正貸金業法の完全施行日以降に借入を申込していて、そのうち67.8%が希望通りに借入ができたと回答している
  • 個人の借入利用者の借入申込の資金使途は、「趣味・娯楽の費用」と回答した割合が46.9%と最も多く、次いで「食費」が21.9%と続いている
  • 個人の借入利用者の年収別に資金使途を見ると、「趣味・娯楽の費用」と回答した人の割合が、低所得者層・中所得者層・高所得者層でそれぞれ38.5%、48.5%、55.4%となっていて、高所得者層の方が趣味や娯楽にお金を借りる傾向があり、低所得者層程、趣味・娯楽で借入をする割合が少ない傾向となった。一方で、「食費」と回答した人の割合は、27.1%、24.0%、13.5%と、低所得者層の割合が最も多い結果となった。
  • 個人の借入利用者が新たな借入先として検討した先について、「クレジットカード・信販会社」が60.3%と最も多く、次いで、「銀行等の預金取扱金融機関」が43.6%という結果になった。年収別で見ると、低所得者層・中所得者層は「クレジットカード・信販会社」を最も選んでいて、高所得者層は「銀行等の預金取扱金融機関」を選んでいる人の割合が56.9%と最も多い回答だった。
  • 新たな借入先の候補として、大手消費者金融を選んだ方の選んだ理由は「審査が早かったから」が52.4%となっていて、クレジットカード・信販会社を選んだ人の理由は「借入手続きが簡単だったから」が46.8%、銀行などの預金取扱金融機関を選んだ人は「金利が低かったから」という回答が56.2%と最も多くなっている
  • 貸金業者から希望通りの金額を借入できなかった場合、生活費や趣味・娯楽の抑制で対応している結果になっていて、年収が低い程、「生活費を抑制した」という回答の割合が高い(低所得者層60.0%、中所得者層48.8%、高所得者層46.4%)結果となった
  • 希望通りに借入できなかった際の影響として、68.0%の人が、日常生活に支障が出たと回答していて、年収が低い人ほどその割合が高い(低所得者層73.3%、中所得者層70.8%、高所得者層52.1%)結結果となった

資金需要者(個人)の借入状況の考察

資金需要者の借入状況のデータを上記で紹介しましたが、以外にも、高所得者層と言われる、年収が600万円以上の方でもカードローンを利用するということがわかりました。

用途は、年収別で異なってきていて、低所得者層と言われる、年収300万円未満の方の資金使途は主に食費などの生活費、高所得者層の方の資金使途は、趣味や娯楽と言った違いがあることがわかります。

高所得者層の方は、遊びにもお金をかけている傾向があり、毎月計画的に返済できることから、金利が低い銀行のカードローンを利用する方が多い傾向があり、低所得者層の方は、銀行などの預金取扱金融機関は避けている傾向があるということがわかります。

これは、恐らく審査の問題で、クレジットカードや信販会社のキャッシングの方が、審査が甘く、手続きも簡単ということから、急ぎで借入に向いているため、そちらを選んでいるということが読み取れます。

資金需要者(事業者)の借入状況

  • 借入経験のある事業者のうち、30.5%が改正貸金業法の完全施行日以降に借入を申込していて、そのうち59.6%の事業者が希望通りに借入できたと回答している
  • 借入の申込を行った際に資金使途については、「取引先の支払い(事業の一時的な運転資金)」の割合が42.6%と最も高い結果となっている。
  • 新たに借入申込を行った経験のある事業者は、借入先として検討した先の割合は、「銀行等の預金取扱金融機関」が58.1%と最も高く、次いで「クレジットカード・信販会社」が48.0%、「消費者金融」が28.5%と最も低い結果となった
  • 新たな借入を行わなかった借入経験のある事業者の方が、貸金業者以外から借入を行った際の借入先を見ると、「銀行等の預金取扱い金融機関」が61.5%と最も高く、「国や自治体、生活共同組合などのセーフティネット貸付」が30.8%、「家族や親族」が26.9%と続く結果となった
  • 貸金業者から希望通り借入できなかった際の行動についての調査では、生活費を切り詰めた(62.4%)、娯楽の抑制(49.7%)が多く、家族や親族から借りた(9.8%)というケースも見られた。また、希望通り借入できなかった際の影響として、「事業を拡大できなかった」という回答が41.2%と最も多かった

資金需要者(事業者)の借入状況の考察

事業者の借入状況を見ると、約70%の借入経験がある事業者は、改正貸金業法完全施行日より前から借入をしていて、資金繰りのために繰り返し利用しているということがわかります。

目的としてはやはり運転資金の借入が多く、希望通り借入できないことで、事業の拡大を諦めたという結果もあることから、事業者の方は、高額の借入を希望している傾向がありますが、中々希望通りに借入ができないという結果になってるということが読み取れました。

借入の検討先として、以外にも「銀行等の預金取扱い金融機関」が61.5%と圧倒的に多かったのですが、これはカードローンなどではなく、事業者融資で利用したものと思われますが、銀行は事業者に対しての融資は非常に消極的なので、ビジネクストやオリックスクラブカードなど、信販会社による事業者ローンを利用した方が融資を受けやすい可能性があります。

また、事業者の方で、借入経験がある方は、金融機関や信販会社から融資を受けるだけではなく、国や自治体、生活協同組合などのセーフティネットを利用している方が多いということもわかりました。

個人向け貸付に求められる商品特性

新たな借入として必要だった金額

data3-5

  • 個人の借入利用者が資金の借入を行う際に重要だと考えている点は「金利が低い」が63.7%と最も高く、「保証人を立てずに借入できる」が46.4%、「申込から借入のスピードが速い」が45.3%と高い結果となっている
  • 個人の借入利用者が貸金業者から借入する際、借入の金額と期間を見ると、76.4%が100万円以内と回答していて、期間は「1週間以内」から「1年以内」と回答した人の合計は47.1%となっている
  • 借入経験のある専業主婦の方が、貸金業者から借入する際、借入の金額と期間を見ると、「10万円以内」が45.2%と最も高く、100万円以内と回答した人が84.9%となった。期間については、「1週間以内」から「1年以内」と回答した人の割合が合計53.8%となっている

個人向け貸付に求められる商品特性の考察

個人向け貸付に求められる特性について紹介しましたが、個人が利用する場合、高所得者の場合は、趣味や娯楽に使うため、低所得者の借入金額よりも高額になる傾向がありますが、多くの方は100万円以内の比較的小額の借入を希望していることがわかります。

また、専業主婦の方に関しては、「10万円以内」が45.2%と半分近くを占めており、生活費や食費のために小額の資金が必要であるということがわかります。そういった方は、返済期間も1週間から1年以内には完済する予定で計画を立てていて、より短期間返済する意志があるということがわかります。

借入をする上で、重要と考えている点は、「金利が低い」や「申込から借入のスピードが速い」という点は予想通りでしたが、「保証人を立てずに借入できる」という点も気にしている人が多いということがわかりました。

基本的に消費者向けの信用貸付は、保証人を立てないまたは保証会社を利用することがほとんどなのですが、初めての方はそういった事情を知らないので、保証人無しで借入できるカードローンを探してるということがわかります。

事業者向け貸付に求められる商品特性

資金の借入を行う際に重要だったと考える点

data3-6

  • 借入経験がある事業者が資金の借入を行う際に重要だと考える点は、「申込から借入までのスピードが速い」が60.2%と最も高く、「無担保で借りれる」が56.8%、「保証人を立てずに借りれる」が56.6%と続いている
  • 借入経験のある事業者が貸金業者から借入を行う際の期間を見ると、100万円以内と回答した人が60.7%となった。また、借入期間については、「1週間以内」から「1年以内」と回答した人が全体の55.8%を占めている
  • 借入経験のある事業者に対して、貸金業者から契約締結前に事前交付される概要書面の記載事項が、重要なポイントのみに絞られる場合の影響について調査したところ、「契約内容が理解しやすくなる」と答えた方は48.7%となり、「事前に契約内容を詳しく確認することができなくなるなど不都合が生じる」と答えた人の割合は34.8%となった
  • 貸金業者から保証人に契約締結前に同時に交付されている概要書面と詳細書面が、詳細書面のみに一本化された場合の影響について調査したところ、「そう思う」と回答した割合は「契約内容を理解しやすくなる」では49.0%となり、「事前に保証契約の内容を詳しく確認することができないなど不都合が生じる」と回答した割合では30.5%となった

事業者向け貸付に求められる商品特性の考察

事業者の方が借入を行う際に重要だと感じる点は、やはり「申込から借入までのスピードが速い」という点でした。これは、事業者の方は銀行などで融資を受けようとすると、どうしても数ヶ月かかってしまうため、支払いなどの運転資金を捻出しようと思った時に銀行だと普段から取引が無い場合は間に合わないからという理由でしょう。

その他にも、やはり「無担保で借入できる」「保証人を立てずに借入できる」という点も重要で、カードローンを利用する際に保証人をお願いすることは難しいと思うので、担保・保証人無しで借入できるカードローンが人気のようです。

その他では、事業者が借入を利用する際は、契約書などの書面の内容をきちんと確認する人が多く、簡素化されたくないという意見があるということは意外でしたが、後々揉めないようには必要なことだということでしょう。

期間や金額については、個人の方の金額や期間と大して差はなく、小額の借入を希望している事業者が多いということがわかりました。これは銀行と取引がない小規模の事業者が利用することが多いから予想できます。

ヤミ金等非正規業者との接触・利用状況

ヤミ金等非正規業者との接触・利用状況

data3-7

ヤミ金等非正規業者の利用意向

data3-8

  • 個人の利用者に対して、ヤミ金融等非正規業者や、クレジットカードショッピング枠現金化業者、偽装質屋の認知について調査したところ、「どのようなものか知っている」と回答した割合は、「ヤミ金融等非正規業者」が38.8%、「クレジットカードショッピング枠現金化業者」が32.9%、「偽装質屋」が15.7%となった
  • 個人の借入利用者のうち、ヤミ金融業者等非正規業者との接触経験がある割合は16.1%、クレジットカードショッピング枠現金化業者は21.5%、偽装質屋については7.8%となった。
  • 借入経験のある事業者のうち、ヤミ金融等非正規業者との接触がある割合は9.9%、クレジットカードショッピング枠現金化業者では14.7%、偽装質屋については3.0%となっている

ヤミ金等非正規業者との接触・利用状況の考察

個人でも、事業者でも、お金に困っているとはいえ、上位のような違法業者と接触することは絶対に避けなければいけません。

闇金被害は未だに全国で起きているようですが、データとしてみても、個人の方で16.1%も非正規業者と接触があるということは驚きました。

闇金の実態については、当サイトでも、「闇金を利用した多重債務者が出家詐欺に加担するケースが増加している」や「新たな闇金「金貨金融」が流行している」などのページで闇金についての怖さを解説しています。

どれだけお金に困っていても、闇金には絶対に手を出さないでください。

また、クレジットカードショッピング枠現金化や、偽装質屋も同じです。これらの業者も違法営業をしている業者ですし、クレジットカードのショッピング枠を現金化する行為は、自身が違法行為に加担していることになります。

ヤミ金の利用者は年々減少しているようですが、早く被害者が0%になって欲しいと思います。

金融詐欺等による被害の状況

金融詐欺等による被害の状況の表

data3-9

  • 金融詐欺等による被害経験について調査したところ、個人の借入利用者では、被害にあったことがあると回答した割合は、「架空請求詐欺」が4.1%と最も高く、次いで「オレオレ詐欺」が1.4%だった。
  • 借入経験がある事業者では、「架空請求詐欺」が3.5%と最も高く、次いで「オレオレ詐欺」「金融商品等取引名目の詐欺」が1.5%だった
  • 金融詐欺の被害にあったとわかった時の対応については、個人の借入利用者の場合は「何もしなかった」が33.7%と最も高く、「警察に相談した」が27.2%、「消費者生活センターや貸金業協会などの相談窓口に相談した」が20.3%となった。
  • 借入経験がある事業者では、「警察に相談した」が35.6%と最も高く、「何もしなかった」が32.2%、「消費者生活センターや貸金業協会などのそうだん 窓口に相談した」が26.7%と続いた

金融詐欺等による被害の状況の考察

詐欺被害に遭った方のデータを紹介しましたが、意外にも一番多いのが、「何もしなかった」ということです。

詐欺は立派な犯罪ですし、あらゆる手口で詐欺を働いている業者が後を絶たないため、いつの間にか騙されていたという事態になることは十分に有り得ます。

もし騙されて詐欺被害に遭った時は、必ず警察に被害届けを出しましょう。

 

絞り込み条件で探す

条件を選択してください

借入希望額
審査時間
融資時間
職業