2014年度大手消費者金融3社の決算概況

2014年度の大手の消費者金融3社(アコム・SMBCコンシューマーファイナンス・アイフル)の決算が出そろいました。

2014年度は、2013年度に比べ貸付実績が各社で増加したようで、2013年度では、前年度で貸付残高を増加させたのはアコムだけでしたが、2014年度は、アコム、SMBCコンシューマーファイナンス・アイフルの3社共に貸付残高を増加させ、今まで減少を続けていた貸付残高が反転した、転換の年であったと言えます。

アコム・SMBCコンシューマーファイナンスは残高、収益ともに反転

貸付残高が前年度よりも増加したアコムとSMBCコンシューマーファイナンスは、収益面でも減少に歯止めをかけ、2014年度は増加させる事に成功しています。

まず、アコムですが、アコムは前年度の営業貸付残高を2.9%上回る実績でした。アコムは2013年度にもいち早く貸付残高を反転させていて、2014年度は収益も前年度比で増加させています。

数値を見ると、営業収益は1,636億円と、前年度よりも79億円引き上げることに成功していますが、これは期初の計画よりも68億円上回る水準で伸びています。

更にアコムは営業貸付金利息に関しても0.1%の増加に成功しています。今期は136億円と、計画よりも20億円上回る水準で着地することに成功していて、営業貸付金利息は、ローン事業の根幹とも言える数値なので、これが反転して増加傾向になったという点は特筆するべきですし、規制強化後の落ち込みを乗り越えることができたと言えるでしょう。

また、貸付残高、営業貸付金利息の他にも、保証事業でも増益を達成しています。

消費者金融各社は、規制強化後に、銀行のカードローンなどの保証事業を拡大させていますが、アコムは保証残高が7,765億円と、前年度よりも14.4%増加していて、営業収益の底上げに繋がっています。

SMBCCFの営業貸付残高は、2014年度の第2四半期でプラスに転じて、通気でもプラスとなりました。

通気で単体残高が増加したのは12年ぶりのようで、2014年度は大きな転換期だったということがわかります。

営業収益は13年度も増収でしたが、増収幅は8200万円と、1億円にも満たない数値でしたが、2014年度は、増収幅は40億円と、大幅に拡大することに成功しています。

ただ、SMBCCFは、営業収益は大幅に伸びましたが、営業貸付金利息はいまだに減少しています。

営業収益の拡大の要因となったのは、信用保証事業の健闘によるものが大きく、信用保証事業は前年度と比較して73億円も増加していて、保証残高は21.6%増の9,000億円の大台を突破しています。

この数値では消費者金融業界てもトップの数値で、貸付残高でも9,061億円と、前年度よりも2.5%プラスとなっています。

アイフルは9期ぶりの残高反転を達成

アイフルは、アコム、SMBCCFと比べて苦戦が続いていましたが、14年度の期末残高では遂に1.4%の増加を達成し、これは05年度以来の9期ぶりの残高の反転だったようです。

アイフルは、特に有担保・事業者貸付を除いた無担保貸付残高が大きく伸びていて、前年度の6.2%増となっていて、無担保貸付残高の伸長率じゃ大手3社の中でもトップです。

これは、アイフルはこれまで事業再生ADRの履行を優先課題としていたため、貸付に慎重になっていましたが、2014年の7月以降、事業再生計画が終了して、残存の債務について引き続き金融支援を継続して受けることができるようになったため、貸付を積極的に行えるようになったからです。

2014年度の新規申込件数を見ると、34万351件(前年度比30.8%増)に、新規顧客件数は15万3135件(30.9%増)と、大幅に伸ばしています。

大手3社の新規契約件数のシェアを見ると、2012年度では、アイフルは19.6%しかなかったのが、2014年度では27.2%と、アコム、SMBCFと遜色無い件数まで伸ばしていて、大手間の競争が激しくなりつつあるということがわかります。

利息返還コストが足を引っ張る状態は続いている

大手消費者金融の決算について見て行きましたが、相変わらず足を引っ張っているのが利息返還請求です。

大手各社は営業費用として、アコムは116億円、SMBCCFは161億円、アイフルは578億円も増えています。

これはプロモーションなどの宣伝費用もありますが、利息返還損失引当金の繰入額が大きく増えたというのも要因の一つとなっています。

利息返還損失引当金の繰入額は、アコムが43億円、SMBCCFが61億円、アイフルはなんと637億円もの金額となっています。

結果的に、アコムとSMBCCFは経常利益が減益となり、アイフルは純損失を計上することになってしまっています。

利息返還請求の件数は減るどころか、前年同月比でプラスになっていて、これは大手司法書士事務所だけでなく、弁護士事務所までもが大量の広告宣伝費を投下してプロモーションしていることが大きな原因となっています。

このせいで、営業収益の4〜6割を利息返還で吐き出してしまっていることとなり、現在の顧客がはらった利息が過払い金の債権者や司法書士・弁護士に渡っているだけの構造となってしまっています。

利息返還請求のコストを抑えることで、大手消費者金融はより貸付に積極的になれるし、審査の承認率も上げることができるため、大きな足かせとなっている利息返還請求を早く終わらせる必要があります。

連結決算概況(単位 : 百万円、%)

アコム
営業収益 219,289(8.4)
営業利益 14,073(△1.8)
経常利益 14,747(△5.3)
当期純利益 12,864(21.0)
SMBCコンシューマーファイナンス
営業収益 228,321(17.2)
営業利益 16,488(△32.3)
経常利益 16,646(△37.3)
当期純利益 11,245(△61.7)
アイフル
営業収益 86,352(△6.0)
営業利益 △39,562(-)
経常利益 △36,498(-)
当期純利益 △36,499(-)

ローン部門の連結営業実績

アコム
■貸付残高 877,427(5.9)
無担保 866,718(6.3)
事業者向け 5(△7.7)
有担保 10,703(△17.9)
■口座数 2,519,800(3.3)
無担保 2,516,189(3.3)
事業者向け 6(0.0)
有担保 3,605(△14.8)
SMBCコンシューマーファイナンス
■貸付残高 980,313(4.6)
無担保 977,711(4.7)
事業者向け -(-)
有担保 2,602(△23.7)
■口座数 1,904,323(2.6)
無担保 1,903,168(2.6)
事業者向け -(-)
有担保 1,155(△17.1)
アイフル
■貸付残高 350,017(0.6)
無担保 273,628(4.7)
事業者向け 41,485(△8.9)
有担保 2,602(△23.7)
■口座数 1,904,323(2.6)
無担保 1,903,168(2.6)
事業者向け -(-)
有担保 1,155(△17.1)

承認率(無担保)の推移(月次・単体)単位:%

アコム
14年4月 48.4
5月 48.3
6月 47.3
7月 44.2
8月 45.4
9月 48.0
10月 48.4
11月 49.1
12月 47.3
15年1月 44.9
2月 46.6
3月 48.7
4月 47.9
SMBCコンシューマーファイナンス
14年4月 39.8
5月 40.8
6月 40.7
7月 39.8
8月 41.6
9月 42.0
10月 43.2
11月 42.9
12月 43.0
15年1月 39.7
2月 39.1
3月 40.6
4月 42.7
アイフル
14年4月 43.6
5月 44.6
6月 46.8
7月 45.3
8月 47.3
9月 45.7
10月 44.4
11月 43.8
12月 44.9
15年1月 44.4
2月 45.3
3月 44.2
4月 44.5