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入院・手術費用のためにカードローンを利用できる?

生活をしていく上で怪我をして入院・手術をする必要があった場合に、手持ちのお金が無く、手術費用・入院費用を支払えないという方が多いです。

病院側でも、医療費の不払いは大きな負担になっていて、医療費の支払いをしない方に対して未払い医療費を回収するために裁判を起こすこともあります。

病院が裁判を起こすのは余程のことが無い限り有り得ませんが、手術・入院費用の未払いの時効は3年と、通常の債権の時効の10年と比べてかなり短く設定されているため、踏み倒そうとする人が多いく、経営が危ぶまれる事態になってしまうため、やむを得ず裁判をします。

では、医療費を未払いのまま放置している方は、医療費を支払うためにカードローンなどで借入をしててもお金を作るべきなのかというと、実はそんなことはありません。

医療費に関しては、国からの補助金を利用することもできますし、健康保険から無利子でお金を借入できるようになっているため、高利の消費者金融や銀行のカードローンを利用する必要が無いのです。

ここでは、医療費に関わる国の制度の紹介をします。

高額療養費制度

高額療養費制度とは、一定金額以上の医療費の負担があった場合、一定金額を超えた分の医療費に関しては、健康保険から払い戻しを受けることができる制度です。

医療費の自己負担額は上限が決められていて、入っている健康保険の種別や年齢によって、自己負担上限額は異なります。

自己負担限度額については、高額療養費制度についてというサイトで計算できるようになっているため、こちらで計算してみると良いでしょう。

多くの方は、大体8万円程度〜10万円以内が自己負担額の上限となることが多いようです。

つまり、入院費も含めて50万円など、高額の医療費がかかった場合でも、自己負担限度額以上の金額である約40万円は払い戻しを受けることができるため、実質の負担は10万円程度で済みます。

しかり、この高額療養費制度には欠点があります。それは「払い戻しを受けるまでには数ヶ月かかるため、一時的に医療費を支払わなければいけない」ということです。

高額療養費制度は、医療費が高額だった場合は勝手に適用できるという訳ではなく、面倒ですが、自身で所定の手続きを行う必要があります。

具体的に説明すると、現在加入している保険機関の窓口に、高額療養費制度を利用するために必要が書類を不備なく提出する必要があります。

書類とは、病院の領収書・保険証・印鑑・銀行の通帳などですが、詳細は各保険機関に問い合わせして下さい。

保険機関に指示された書類を提出してから、高額療養費の払い戻しを受けることができるのは約3ヶ月後となるため、病院を退院して、支払いを済ませる時はまだ高額療養費の払い戻しは無いため、一時的に立て替える必要があります。

問題無く立て替えるだけのお金があればいいのですが、お金が無い場合、クレジットカードで支払いを済ませて、支払いの期日を伸ばす方法や、病院の医療相談窓口にいるケースワーカーに相談をして、分割支払いをするという方法もあるのですが、公的な制度を利用して、無利子で医療費を借入できる制度もあります。

それが、高額療養費貸付制度です。

高額療養費貸付制度

高額療養費貸付制度とは、上記で説明した高額療養費制度とは異なり、自己負担額を超える分の医療費を無利子で貸付してくれる制度です。

ただ、医療費の全額を貸付してくれる訳ではなく、高額療養費制度で戻ってくるお金の8割〜9割の金額を貸付してくれます。

国民健康保険の場合は9割、その他の保険の場合は8割の金額を貸付してくれます。

高額療養費貸付制度の手続きも、高額療養費制度の手続きと同様、各保険機関の窓口で必要書類を提出して申請を行います。

申請に必要な書類は、高書医療費貸付金貸付申込書や、高額医療費貸付金借用書などですが、詳しくは全国健康保険協会のサイトでダウンロードすることができます。

高額療養費貸付制度は、高額療養費制度よりも手続きにかかる時間が短く、大体2〜3週間でお金を借入することができます。

自身で手続きを行う場合は、病院を退院してから手続きをすることになるため、貸付を利用しても医療費の支払いが間に合わない可能性もあります。

ですが、平成19年4月から、高額医療費の現物給付化が70歳未満の方でも認められるようになり、「健康保険限度額適用認定証」の交付を受けることができれば、窓口の支払いの際に自己負担限度額に支払いのみで済ませることができるようになったため、現在はできれば健康保険限度額適用認定証を申請して交付を受けた方が、貸付などの手続きを省くことができるため、こちらを利用した方が良いでしょう。

「健康保険限度額適用認定証」についても、各保険機関の窓口に問い合わせて申請することができます。

入院・手術によって貰えるお金・返ってくるお金がある

上記で説明した「高額療養費制度」「高額療養費貸付制度」は、公的機関の制度を利用して、医療費を安くしたり、医療費の借入を行う制度でしたが、他にも、怪我・病気で入院することで、お金が貰えたり、返ってきたりする制度も存在します。

傷病手当金

傷病手当金とは、怪我をして仕事ができなかった場合に、出社できず給料が貰えない状態になっている方が利用できる制度です。

この制度は、健康保険組合・全国健康保険協会・共済保険組合に加入している方を対象としている貯め、国民健康保険に加入している方は利用できません。

そのため、個人事業主など、自営業の方は利用できない制度となっています。

この傷病手当金を利用すると、出社できない状態になって4日目から、最長で1年6ヶ月の期間、1日につき日給の3分の2に相当する金額が支給されます。

申請方法は、加入している保険の窓口で申請可能で、全国健康保険協会で「健康保険傷病手当金支給申請書」をダウンロードして提出することで申請ができます。

申請してすぐに給付される訳ではなく、大体1ヶ月程度給付までに時間がかかるため、怪我をして出社できなくなった場合は早めに申請しておきましょう。

医療費控除

医療費控除は、ご存知の方も多いかもしれませんが、確定申告の際に、かかった医療費の一部を所得税から控除することができる仕組みです。

控除できる金額は、医療費の実質負担額が年間10万円(年収が200万円未満の人は所得金額×5%)を超えた場合、その金額を超えた分を控除することができます。(上限200万円まで)

例えば、所得が400万円の方で、医療費に事故や手術などで100万円かかった方は、90万円分の控除を受けることができるため、その分の払い過ぎた税金を還付金として受け取ることができます。

ただし、その際に保険金などを受け取っていた場合は、その金額を相殺してい計算する必要があります。

医療費控除の対象となるものは、「治療目的」のもので、手術代や入院費用はもちろん、

  • 治療のためのマッサージ
  • 通院や入院のための交通費
  • 診断書作成代
  • レーシック手術

などのものも含まれるため、きちんと領収書は保管しておくようにしましょう。

また、上記のような怪我にかかる治療費以外にも、

  • 出産費用
  • 流産した場合の手術費用

など、出産にかかる費用も医療費控除の対象となりますし、

  • 虫歯の治療費
  • 歯列矯正

など、歯科にかかる費用も医療費控除の対象となります。

医療費控除を受けるためには確定申告を行う必要があり、その際に必要となるものは、「源泉徴収票」「領収証など医療費の支出証明書」「領収書が出ない支払いの明細書」などが必要となります。

仕事中の怪我の場合は給付金を受け取ることもできる

怪我や病気などで入院や手術をした際に、お金を受け取れる制度や控除の話をしてきましたが、怪我をした当事者の方がサラリーマンの方の場合は、会社が入っている保険によってお金がもらえる場合があるため、そちらについても説明しておきます。

労災保険

通常企業は従業員のために労災保険に入ることが義務づけられています。

労災保険とは、従業員が業務上または通勤途中に災害にあい、怪我や病気をしたりした際に保険給付を行う制度です。

正式名称は「労働者災害補償保険」と言います。

パートやアルバイトが1人でもいれば、この労災保険に加入する必要があるため、働いている会社も本来であれば加入しているはずです。

もし、仕事上で怪我をして手術・入院をすることになった場合は、療養にかかる医療費などは全て労災保険から「療養補償給付」という形で支給されるため、治療費は一切かかりません。

ただ、労災保険を適用させるためには、労災病院や、指定病院で受信する必要があり、近くにそういった病院がないため、他の医療機関で受信することになった場合は、一旦治療費を全額負担する必要があります。

その後、所定の手続きを取ることで、療養費用として、立て替えた負担金額を全て返金してもらうことができます。

また、労災が認定される怪我・病気で入院などをした場合は、その期間は働くことはできませんが、その場合は、休業補償給付を受け取ることもできます。

休業補償給付とは、療養補償給付とは異なり、怪我や病気によって会社を休んだ期間、労災保険が収入を補償してくれる制度です。

ただ、給料全額を補償してくれる訳ではなく、支給金額は労災前3ヶ月の平均給与を日割りした日当の6割と定められています。

ただ、それに加えて、日割りした日当の2割程度の「休業特別支給金」も給付されるため、全体では日当の8割分の収入を労災が補償してくれる形になります。

休業補償給付は、労災認定された状態で働けない状態が続く限りはずっと支給され続けます。

そして、休業期間が1年半を超えた場合は、休業補償給付から、「傷病補償年金」へと切り替わります。

傷病補償年金とは、怪我をしてから1年半働くことができなかかった場合で、傷病等級1級から3級に該当する場合に支給される年金で、該当するかどうかは労働基準監督署が決定を行います。

等級が1級の場合は、給付基礎日額の313日分、2級の場合は給付基礎日額の277日分、3級の場合は給付基礎日額の245日分の金額が支給され、さらに傷病特別支給金が100万円から114万円の間で支給されます。

それだけでなく、ボーナスの日割り金をもとに算出した「傷病特別年金」を受け取ることもできるため、怪我や病気で働けなくなったとしても生活に困ることはまずありません。

労災を利用するためには、働いている会社に手続きを行ってもらいましょう。


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